散歩中にはよく猫に遭遇する。彼らがそれぞれに漂わす雰囲気は、おのずと生い立ち、育ち、歩んできた道の違いを滲み出させている。
月代は伸び放題、鬢のほつれも気にしない。垢染みた着流しで懐手をして孤愁を漂わす頬の痩けた素浪人。腕の立つ椿三十郎と云うよりも、世を拗ねたような表情で親分さんに身を寄せる用心棒の先生といった風情。
貫禄十分、強面の顔役親分。身内の子分達はシノギにいそがしく、縄張りの見回りに出っ払っている様子。
高禄を哈む御大身の部屋住み次男坊。なんの務めも心配事もなく、日長一日することも無くお洒落(毛繕い)に身をやつすのみ。
ヤンゴトナキ大家の御世継ぎ御曹司「アッ!いけませぬオボッチャマ。斯様な処に御出ましに成っては……婆やが叱られまする」
ウダツのあがらない庶民 = 見栄外聞一切気にせず、努力する意欲気力皆無。己が姿を写したるが如き気分にさせられたワイ。
(考察 = ウダツのあがらない痴戯原駄羅衛門)
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