<107> 横浜山手十番館(1?)

駄真画報社々長は、今回建物を含めた風景を描いてみて、不自然でないパース感を出す難しさに閉口苦慮してます。
建物をメインにすえる風景画は難しくて、厭になって投出しそうになってますが、今回はちょっと背伸びして、風景画としてそこそこに見れるパースペクティブ処理(定規を使わないだけの事ですが)に挑戦してみようか。という訳で、どうにかここまで描きました。
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f0176500_13412292.jpg私は身近なテーブル上に物を置き写生する場合、つまり静物画などは、無意識の内にもほぼ必然的に三点透視図法(写真的つまり消失点が天地左右)に基づいて描いていますが、風景画の場合、特に今回の様に描きたい建築物が可成り近い場所にある場合(そうでない場合も)、写真に撮ると当然の事ですが三点透視の理屈が働いて、レンズの中心から遠くに離れるに従い、建物の左右は無論のこと、天に向っても窄まった形に写ります。
プロアマ問わず、古来より、風景画は大旨二点透視、つまり、消失点は左右二方向にのみ(とは限りませんが)定めて描いたものが多いようです。

建物などは天に向って窄めないで描きます。縦線は大旨垂直に表現します。ですから道路を挟んで両側に立つ、尖塔を持つ建物と街路灯を垂直平行に描きます。
建築パース画や風景画がすべてそうだとは言えないのですが、二点透視の法則を活かした絵は安心して見れるように思えます。添付した鉛筆描きと写真画面と見比べるとかなり違います。


アッ! 大変だ! 右側街路灯の先端照明器具など消失点のほぼ真上。ほぼ水平に?かな? 次回掲載時までに直します。

イーゼル使って現場で写生すれば、何故か見たいものに視点が上手い具合に移動してくれて、見回す辺りの大方の建物は垂直にと意識させてくれます。
だからプロ風景画家は現場と写真は違うと言います。諸々違いはあるのは当然ですが、まず第一にあげる違いは写真が示す垂直の在り方への違和感のようです。
写真ではレンズを中心に垂直水平線は縦横各々一本づつしか有りませんから当然です。
シャチョーも同感ですが、今や高齢者です。屋外でイーゼル立ててはトテモトテモ。写真が仕掛けてくる奸計に嵌らぬように、慌てず騒がず、ユルユルと…… 机上の空論を楽しむ訳です。
団体展などでは、写真をベースにした絵の匙加減の上手い下手が、作品毎に如実に顕れていて、興味深いですねー。プロ風景画家で現場第一主義を標榜する人が多いのは、奈辺の理由からではなかろうか。
風景画も正確にデッサンを執れば、写真のようになってしまうのでしょうが?絵としては面白くない訳です。
静物画や人体や石膏像のデッサンは無意識ですが三点透視の法則が勝手に働いて、現実を描きだそうと懸命になります。しかし風景画は非現実的な構図決めに腐心して現実感を表そうとする訳です。
人間ってよく出来ていますねー。理屈っぽい作図法なんざ知ってなくてもいいんです。対象物を如何に描くと格好いいか、臨機応変描き分けてるんですねー。
二点透視図法は、人の眼に優しく働きかけるための方便で、紙上でのみ許されているのでしょう。
時間をかけて描くことが嫌いなシャチョーだが、パースの狂ったものは見せたくない!……と、消しゴムごしごし七転八倒。絵らしく見せるため、定規に頼らず、フリーハンドで見栄張ってます。
無論,無意識の内に二点透視図法に沿っている訳です。イヤー建物描くのは難しいです。

この後続けても、うまく描き上がるか?自信ありません。淡彩をのせるか?はたまたペン画にするか?思案橋ブルース?

[A閑話]
パースペクティブを気にしながら横浜山手の佇まいを描いていると、難しさに触発されて、昔の事など思い返しました。
シャチョーは高度成長期の一時期、不動産広告(新築分譲マンション)のデザイン作業をやったことが幾度かありました。
完成予想図(建築パース)を描く画家(イラストレーター)と一緒に作業チームを組むのですが、クライアントからの要望が、AD(アートディレクター)やデザイナーやイラストレーターへと、いろいろ要望が出されます。
特にイラストレーターには建築家の描くパース画とは幾分異なり、生活感とか絵画的な味付けも加味してとか、難しい注文を付けてきます。大変に難儀な仕事ですが対応して、顧客に憧れを抱かせる訳です。
そのほか、分譲物ではないが、日本初超高層の霞ヶ関ビルや新宿西口開発に関連した完成前の告示用印刷物には建築知識の豊富な大物画家を起用して、魅力に満ちた完成予想見取図や構造図……などなど、随分と年数が経ちましたが、今回描きながら、往時お付合い頂いた画家さんたちやイラストレーターの方々の凄さを思い起しました。
(私信・ひょっとして豊四季の兄貴ん家に霞ヶ関ビルの、あの物凄いパース画の刷り物は残ってませんか? もしあればスキャンしてデータをメール願えると感激のイタチ。今一度、しみじみ見てみたいなー。さすが二紀会の重鎮の仕事、見事なものでしたよねー)
多少描くことに自信ありと自負しているシャチョーだが、この程度の構図もので音を上げてます。建築パース画の専門家の上手さと根気には脱帽です。
具象画にパースペクティブは重要な要素でしょうが、特に建築物の表現では、わずかな狂いも目立ちます。
趣味で描いているのだから気楽にと思ってはいるのだが、こんご風景を描いても建物はなるべく容れない様にしようかなー。

[余談]
手早く上手いパース技法をモノにすれば、わが駄ブログの評価はアップするだろうなー。
言わずもがなの青臭い事をくどくど述べるのは、益々ジジー度がアップしてきた…… と山の神専務が…… 沈〜ン

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by ky-shige | 2010-01-25 14:02 | 社長の駄画 | Comments(4)
Commented by 建築パース工房 デザインマシロ at 2010-07-23 16:59 x
はじめまして。1枚目の画像をみて、感動しました。
凄い、いい感じです。素晴らしいです。
Commented by ky-shige at 2010-07-24 08:23
デザインマシロ様 ご覧いただき有難うございます。
思いも寄らぬプロの方から褒めていただき、ビックリしてます。
これを自信にして、建物を取り入れた風景画を
もっと描きたいものだと思います。
Commented by 建築パース工房 デザインマシ at 2010-08-02 23:24 x
いやいや、いいもんは、いいんです!
荒々しさのなかの、やわらかさが、たまりません。
Commented by ky-shige at 2010-08-03 12:30
重ねての評価、感謝します。
彩色が苦手です。ジジイだからか? 進歩しません。
パレットを開くと、腕がすくみます。克服したいです。
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